5本目の主著論文が米国天文物理学誌 Astrophysical Journalから出版されました。 Fujimoto et al. 2020a, ApJ, 891, 64 (ADS)
宇宙初期において現在最も重い超巨大ブラックホールを持つと知られている天体をALMA高解像度データで詳しく調べたところ、ミリ波帯で複数のクランプ構造を持つことを明らかにしました。
またハッブル宇宙望遠鏡のデータや重力レンズモデルを用いてさらに検証したところ、この天体で観測されている性質は、ALMAで観測されているミリ波放射からブラックホール降着円盤が~50pcほど離れた位置で、強い重力レンズ効果を受けている仮説と無矛盾であることがわかりました。
もしこの仮説が正しいとすると、他にも超巨大ブラックホールを持つと知られている宇宙初期の天体において重力レンズ効果が働いている可能性があります(Paccuci & Loeb 2020, ApJ, 889, 52; ADS)。今後更なる観測データを元に検証を進めていく予定です。